2024年4月から始まったNHK朝ドラ「虎と翼」。女性で日本史上初めて法曹の世界に飛び込んだ三淵嘉子さんをモデルにしたオリジナルストーリー。
さて、今回はのちに法律界の先輩となる、「桂場等一郎」(かつらばとういちろう)について深~く掘り下げてみました。
司法の独立を重んじる、気鋭の裁判官の桂場等一郎。
弁護士を目指す寅子たちの前に立ちはだかる壁となる、桂場さんには、「石田和外」(いしだかずと)という、実在のモデルがいました。
実在の石田さんとはどのような経歴で、三淵嘉子さんたちとはどのようにかかわっていたのか…
演じている、俳優・松山ケンイチさんの魅力も紹介!
初回から登場している、桂場等一郎。
時折登場しては、ストーリー展開のキーマンになりそうな桂場等一郎さんについて、ぜひ、最後まで読んでくださいね~(^^♪
『虎に翼』の桂場等一郎とは?
第一話では、寅子が裁判官になろうと裁判所の人事課を訪れたところに、桂場等一郎がいました。
彼は、司法の独立を重んじる気鋭の裁判官です。
堅物で腹のうちを決してみせないため、周囲の人々も彼をつかみきれない…
寅子たちに対して、女性が法律家を目指すことに疑問を呈していて、厳しい人相で、法曹界のとても手ごわい先輩のようです。
でも、実は甘党。
ドラマによく出てくる、甘味処「竹もと」に足繫く通い、お団子をよく食べています。
虎に翼の甘味処「竹もと」のモデルとなった実在の店舗「竹むら」
するどいまなざしをしながらも、お団子を食べる桂場さんはどこか憎めないですね。
寅子の父・直言が絡む共亜事件が起き、贈収賄の容疑で逮捕される事態となりますが、その裁判で判決文を書いたのが、桂場等一郎です。
普段は裁判所にお勤めのようですが、腰が悪い穂高教授の代わりに、時々講義をされています。
女性の弁護士への道には疑問を持っていますが、寅子を見下すことをせず、小ばかにした男子学生に鋭い目を向けるなど、男女差のない学生への対応を見ていると、筋の通った人物であることがうかがえます。
最終的には寅子たちの味方になってくれるキーマンとなるのではないでしょうか?
『虎に翼』の桂場等一郎の実在モデルは?
堅物でつかみどころのない、桂場等一郎のモデルは、石田和外(いしだかずと)と思われます。
第一話の冒頭で、スーツを着た寅子が、司法省の人事課長を訪ねたますが、その時に会ったのが、桂場さん。
実際に、三淵嘉子さんが、裁判官採用願いを提出した時の人事課長が、石田和外さんでした。
石田和外のプロフィール↓↓
生年月日:1903年(明治36年)5月20日
出身:福井県福井市
経歴:福井県庁職員だった父親が46歳で他界し、一家で上京。錦城中学、旧制第一高等学校、東京帝国大学法学部を卒業。卒業後、法務省に入省し、最高裁判所長官を務める。
石田和外さんは、1934年4月、帝人事件の第一審裁判を担当しました。
左賠席裁判官として判決を起案し、事件が事実無根であるとしています。
左賠席裁判官とは
複数の裁判官で構成される地方裁判所で、裁判長以外の裁判官。裁判長の左側に座り、キャリアが5年以下の判事補で、判決文を起案(下書き)する。
石田和外はその時、「水中に月影を掬(きく)するがごとし」と言い、水面に写った月を杓(しゃく)ですくようなものだ、いうたとえ話で、事件は、検察のでっち上げだと批判しました。
この裁判で、「司法界に石田あり」と一躍注目されることに!
そして、虎に翼での「共亜事件」は、この帝人事件がモデルになっています。
帝人事件とは
1934年、台湾銀行所有の帝国人造絹糸株式会社(現・帝人)の株式売買が汚職と追及され、斎藤実内閣の総辞職を招いた事件。起訴された全員が無罪となった。
剣道家でもある石田さんは、全日本剣道連盟会長を務められており、松山ケンイチさんが「自身が演じる桂場等一郎のモデルになった方は裁判官で剣道家」とコメントされています。
また、同じ時期に法曹界で活躍された、草野豹一郎という方がおられます。
草野豹一郎のプロフィール↓↓
生年月日:1886年(明治19年)10月7日
出身:東京府麴町区(現・東京都千代田区)
経歴:東京帝国大学法科大学を卒業後、司法官になり、東京高等裁判所・東京地方裁判所・横浜地方裁判所での判事を歴任。
その後、弁護士となり、主に冤罪ではないかと、思われる事件を、手掛けられています。
とういちろう≒ひょういちろう?
また、ドラマでも、桂場さんが明律大学で、授業をされているシーンがありましたが、実際に、明治大学女子部で、刑事訴訟法の講師として、教壇に立たれ。三淵嘉子さんも石田さんの授業を受けられています。
このようなことから、草野豹一郎もモデルの一人ではないでしょうか?
『虎に翼』の桂場等一郎役の松山ケンイチさんの魅力!
厳しい顔つきながらも、甘党な一面を見せる桂場等一郎。
しかし、いつも寅子の登場で、好物の団子を食べ損ねます。
そんな桂場等一郎を俳優・松山ケンイチさんがコミカルに演じられています。
松山ケンイチさんのプロフィール↓↓
出身:青森県むつ市
生年月日:1985年3月5日
学歴:青森県立大湊高等学校→東京都立代々木高等学校
趣味:下駄を愛用、和食好き、将棋、絵本読み
家族:4人
奥さんは、女優の小雪さん。
二人の間には3人のお子さん(長男・長女・次男)がおられ、2018年より、二拠点生活をされています。
家族とともに、北海道茅部郡森町に移住し、畑で農作物を作ったり、第一種銃猟免許を持っている松山さんは、冬の閑散期には害獣駆除なんかも行っています。
そして、自ら駆除した獣皮を使って、奥さんの小雪さんと、捨てられていく資源の利活用を目的としたアップサイクルブランド「モミジ(momiji)」というブランドを立ち上げられています。
自分たちのためだけでなく、社会への貢献もされていますね。
松山さんは、田舎への移住きっかけをインタビューで答えられています。
地方で、畑を耕したりしながら暮らして、大自然の中で得られるものを家族と共有したいと思ったからです。
自然の中で暮らして、いろいろな刺激を受けたり、いろいろなことを感じたりしてほしかった。スポンジのように、素直に吸収できる小さなうちにその経験をさせたかったんです。
東京暮らしをベースに成長してから田舎に行くのと、小さなうちから行くのとでは、子どもたちが受ける影響の大きさが違うと思うんですよ。あと、自分自身もどんなふうに変わっていくのか、感性の変化を知りたかったというのも理由の一つとしてあります。
引用:ハルメク365 2022/05/28
二拠点生活をし、公私ともに充実している松山さん。
とても礼儀正しく、人柄はとても自然体で、青森なまりで話したりするなど、気取りがなくマイペースな方のようです。
そして、作品ごとに、まるで別人のように演じ分ける、その変幻自在ぶりは、「カメレオン俳優」とよばれるほど。
これからも、多くの作品でいろんな顔をみたい俳優さんですね。
『虎に翼』の桂場等一郎と寅子たちとの今後の関係は?
桂場等一郎は、物語の一話目から登場し、弁護士となった、寅子が訪れた、司法省に座っていました。
その時のセリフは「あ~きみか」。
学生時代から、いろんなシーンで、一緒に登場する桂場さんと寅子は、仕事をしていく中でも、良き上司として、法曹界の先輩として、たくさんのことを教わる関係が続くのではないでしょうか?
桂場さんは、女性が法律を学ぶことに、疑問を持っていますが、明律大学の教室で、寅子の発言に、男子学生たちがせせら笑いをしたところ、「なにがおかしい。彼女はわからないことを聞いているだけだ」、と寅子を擁護?するような発言をします。
きっと、優しく応援するというよりも、ここぞという時に、寅子たちを守り、陰ながら応援してくれる人物となるのではないでしょうか。
『虎に翼』の桂場等一郎 まとめ
厳しい表情で、堅物イメージのある、桂場等一郎。
しかし、ここぞという場面で、大好物のお団子を食べ損ねる、というおちゃめな一面もありますね。
難しくなりがちなリーガルドラマを、松山ケンイチさんのおちゃめな一面は、クスっと笑えるエッセンスとなっています。
物語の最後まで、寅子たちの、指標となるように出演してほしいですね。
今回は、寅子の法曹界の先輩となる、桂場等一郎について、また、それを演じている松山ケンイチさんについて、深堀してみました。
最後まで読んでいただきありがとうございました
では、また~(^^♪
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